2014年12月2日火曜日

音楽制作について(3)そして音楽教室について(1)

ここ数日の一連のやりとり、くだんの生徒さんから何やら感激した様子の長文のメールを受け取りました。その一部をご紹介しますが、この内容は今後のブログで書いて行く最後の方に関連させ後日取り上げる予定です。

「昨日は心配事の多かったSibeliusですが、今日はとってもテンションの上がる記事を見つけました!少し長くなりますが・・・。Sibeliusの記事を書いていた、くだんの作曲家氏のブログで、(中略)Sibeliusにして良かった!と思いました」とのことです。
少し元気になった様ですね!

今日は音楽をデジタル的に編集する技術が出てくる前の時代、私がプロの音楽家(演奏および作編曲と音楽指導)になった頃のことを書きます。音楽指導のことも関連させますので音楽教室におけるデジタル技術応用という意味で「音楽教室について(1)」のタイトルも掲げました。

以前書いていた「My Musical History」におけるこの時代は My Musical History(8) ~ My Musical History(23) の投稿(合計16回)となります。

有名アーチストのツアー・サポート(当時の表現ではバック・バンド)の仕事をする一方、作曲や編曲を音楽制作の現場で仕事をしながら学んでおりました。
同時に、一年だけ在籍したヤマハのネム音楽院の関係からヤマハの音楽教育システムを開発し管理する財団法人ヤマハ音楽振興会の仕事(ポピュラー音楽に関するグレードの設定やそのための教材や模範例の制作)に関与しました。

そうこうする内に同じ仕事の流れからリットー・ミュージック並びに立東社から仕事の依頼があり、楽譜出版や音楽雑誌の仕事が急増します。雑誌「キーボード・マガジン」や雑誌「ジャズ・ライフ」に毎月連載のセミナーを書く一方、音楽記事や楽譜のための採譜、特集記事の執筆、楽譜出版のための編曲や採譜という様な仕事をしておりました。

そしてヤマハ新潟センターから声がかかりました。
ポピュラー・ピアノ教室の募集をしたら多数の受講者が集まったが指導者が居ないので来て欲しいとのこと。毎月4回新潟へ行って教え、その日は新潟に泊まり翌日午前中も新潟で教え、その後高崎に移動して午後教えてから帰る…そんな一泊2日のレッスン出張が始まります。4年近く続きました。まだ新幹線が開通する前のことです。

その当時のことは ココ や ココ にあります。

ある日新潟センターのセンター長T.M.様(後に財団法人ヤマハ音楽振興会の理事長)から次の様な依頼がありました。
「このセンターで学んでいる子供たち(私の教室は大人向けなので私の生徒以外ですね)はバンド演奏に接することなくエレクトーンなど鍵盤楽器でポピュラー音楽を学んでいる。ぜひ生演奏でバンドの素晴らしさを伝えて欲しい」ということでした。
エレクトーンという楽器はポピュラー音楽への入門という意味では楽しそうですが、反面、自動リズムや自動伴奏に合わせて演奏する世界にはまり込んでしまう傾向もある様です。自動リズムや自動伴奏、それは練習や合わせる音として「楽しい」はずですが、これに合わせてさえいれば何となく様になってします。便利な反面実はビート感やテンポ感やリズム感が育たない危険を孕んでいます。そんな危険性を感じたのか?私にバンドによる実演を依頼されたのでは無いかと思います。

当時、ステージの仕事や録音があるときに集まってくれたメンバーを率いてヤマハ新潟センターで演奏しました。主に当時流行のフュージョン、ジョー・サンプル等ちょうど採譜曲集を出しておりました。これを実演できるのは楽しいことでした。このステージの後、新潟の夜のライブ活動?で良く立ち寄った「トライアンフ」というライブ・ハウスにも出演しました。

その後いわゆる「打ち込み」による音楽の進歩で音楽教室の現場でもデジタル的な音楽編集や録音を利用することが進みました。その一方で、その限界というかやや「飽き」も出てきたのでしょう。
マシンに依拠した演奏よりマシンに依拠しないバンドの生演奏、ピアノもデジタル的なものからアコースティック・ピアノの生演奏の実演が大切という雰囲気になっています。
私がプロになった頃の価値観が見直されてきた様に思います。
私の現在の教室では生のバンド体験を含めて年に二度のピアノ発表会、そこでは生徒諸君が生演奏、アコースティック・ピアノ(なるべく状態の良いグランド・ピアノ)を演奏することを続けています。これに協力してくれるプロの優秀なドラマー、ベーシスト、音響技術者、ピアノ調律技師、優秀なスタッフにも支えられ、毎年の発表会は楽しく有意義なものになっていると思います。

次回はデジタル的な編集や録音の黎明期、そしてこれを教室の指導に応用し始めた頃のお話をします。

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